瀬戸の焼杉に
ついて

Setouchi no honyakisugi
Sankakuyaki

400年以上前から
受け継がれる伝統的
焼き工法。

伝統工法「三角焼き」は、杉板三枚を盤線で三角柱型に組み合わせ、下から燃えやすい紙などを詰めて点火します。そして上昇気流を使って一気に三角柱の内側を焼き上げています。

熟練された職人技に
よって作り出される
焼杉の魅力。

それは、ガスも電気も使わずに仕上げる、昔ながらの職人の技です。そうやって作られた焼杉は、ベルトコンベアバーナーで焼く工業製品化されたものとは炭部分の厚さがかなり違うので、耐久性に大きな差が出ます。

自然の美しさで、
暮らしを護る。

自然の炎によって作り出される焼杉は瀬戸内海のさざなみのように美しい焼き模様が生まれます。
表面を炭化させ、強い耐久性がある焼杉は50〜100年と人々の暮らしを護り続けてくれます。

Characteristic
  • 1
    1

    耐久性の高い調湿効果。

    杉を焼くことで炭化作用が起こり、防虫及び防腐効果が得られます。それにより湿度が高くなると、焼杉板が湿気を吸収することで結露を減らし、巾が伸びることで気密性が良くなります。反対に湿度が低くなると乾燥・収縮し通気が良くなります。

  • 2
    2

    軽いので躯体に架かる
    負担が少ない。

    軽くて丈夫な焼杉は外壁材に適した素材です。ほかのサイディングに比べて重量が軽いので家に対する負荷が軽減できます。

  • 3
    3

    断熱効果が高い。

    炭化層の細胞内に空気の層を形成しているので、熱伝導率が低く断熱効果が高まります。また、夏場ではガルバニウムのサイディングなどは輻射熱により熱くなりますが、焼杉だと触れても熱くなりにくい特徴があります。

  • 4
    4

    メンテナンスが容易。

    板を1枚から交換できるので、張り替えが容易に行えます。焼杉の場合、素材そのものはほとんど痛まないためメンテナンス費用が抑えられ、仮に痛んでしまってもその部分の部材だけ張り替えればよいのでメンテナンスが簡単です。

  • 5
    5

    環境にやさしい。

    木材は二酸化炭素を吸収して育つので、地球温暖化防止に役に立っています。また四国の木を使うことで林業の活性化に貢献でき、地域の産業を守ることにもつながります。

Comparison

金属系サイディングや窯業系サイディングに比べて焼杉は表面を焼くので板の劣化を長く遅らせることができます。
そのため、ランニングコストが10年以上かからず、定期メンテナンスも不要です。

金属系サイディング 窯業系サイディング 焼杉
コスト(㎡/原価) 4,000~6,000円/㎡ 3,000~5,000円/㎡ 7,500円/㎡
ランニングコスト(1棟) 約150万円/10年 約150万円/10年 0円/10年
メンテナンス 定期必要 定期必要 ほぼ不要
重量 重い 重い 軽い
修理 不可 不可 1枚から張替可能
施工費
意匠性 ×

※当社のリサーチによる作成

Products

伝統的な製造方法「三角焼き」で加工された瀬戸の焼杉は耐久性が高く、50年ほどメンテナンスなしでも維持することができます。
太い丸太の赤身部分を中心に加工することで分厚く反りにくくなっています。

焼杉 基本サイズ

2種からお選びいただけます。

D18 × W270 × H4000 (mm) 炭化層 3~5mm 程度
D18 × W270 × H3000 (mm) 炭化層 3~5mm 程度

焼杉 セミオーダー

W150~300mm 内でオーダー可能

押え

焼杉板のつなぎ目に打つ材料

D15 × W50~150 × H4000 (mm)

焼杉 セミオーダー

W150~300mm 内でオーダー可能

胴縁

桧 通気スリット入り

D18 × W45 × H3000 (mm)
D18 × W90 × H3000 (mm)

※施工後傷んだ箇所がありましたら、1枚から張替え可能です。
※防火地域、準防火地域でも使用可能です。
(不燃材を間に挟む必要があります。)

Construction example
飲食店

by age 18

香川県高松市牟礼町にあるプラントベースのうどんレストラン「by age 18」の壁に瀬戸の焼杉を施工しました。焼杉は防虫・防腐効果に強く、塩害からも守ってくれることから海岸付近に最適です。瀬戸内海とも調和したシックな佇まいとなりました。

施工時の注意
  • 天然木のため、天候・日照条件・立地条件などにより、色の違いが目立つ場合がありますので予めご了承下さい。
    風雨による劣化により同様の現象が起こる場合があります。
  • 施工前の商品保管については直射日光や雨水のかかる場合、および湿気の多い場所は避けて保管お願い致します。
  • 天然木のため1枚1枚ずつ色味・木目が異なりますので施工前に必ず仮並べ・色味のご確認の上、施工してください。
  • 焼き部分が剝がれないように丁寧にビス打ちしてください。
  • バーナーで焼かれた焼杉とは違い、サネが無いので押さえで止めてください。
焼杉の注意事項
  • 焼杉板は、裏面や実部分の炭が板表面に付着し、炭が手(体)や衣服などに付く場合があります。あらかじめご了承ください。
  • 外壁の景観は経年変化します。変化の度合いは、直射日光(紫外線)、雨水(酸性雨)、寒暖環境、風などの地域的環境や、立地条件によって大きく変わります。
  • 木材には灰汁があり、雨水などが浸透した際に雨水と一緒に木材より出てくることがあります。出てきた灰汁は、新たな雨水などで洗われますが、繰り返し灰汁が出ることがあります。
  • 同じ現場内で湿式工事(土壁など)がある場合、十分に養生期間を取り、現場内の湿度が安定してから外壁の施工をしてください。
    板の反りや、伸びによる突き上げを軽減する事が出来ます。立地環境に応じ、クリアランスを考慮しながら施工してください。
よくあるご質問
  • Q
    触ると黒くなりますか?
    A
    表面は炭ですので、触ると黒くなります。しかし洗えば簡単に落ちますのでご安心ください。
  • Q
    表面の炭の部分が落ちることはありませんか?
    A
    多少は落ちますが、簡単にはなくなりません。瀬戸の焼杉は手焼きで丁寧に焼いておりますので、炭化層が厚く、簡単には剥がれません。
  • Q
    腐る事はありますか?
    A
    表面が炭化しておりますので、腐りにくくなっています。
  • Q
    どうやって施工しますか?
    A
    胴縁に焼杉を打ち付けたあとに、押えで打ち付けていきます。
    詳しくは、<施工時の注意>をご覧ください。
  • Q
    反ることはありますか?
    A
    自然の素材ですので、全く反らないことは無いですが、押さえで打ち付けていますので剥がれることはありません。
  • Q
    納期はどれくらいかかりますか?
    A
    焼く前と焼いた後に乾燥が必要になりますので、ご注文から2ヶ月くらいはかかります。
  • Q
    他の外壁材と比べて価格が高くなりませんか?
    A
    初期コストは多少高くなる可能性はございますが、長期的なランニングコストを考えると価格は安くなると思います。
  • Q
    メンテナンスの費用はどれくらいかかりますか?
    A
    環境にもよりますが、通常であれば表面の炭化層は30年以上は維持されます。その間のメンテナンスコストは0円です。ただ、外的要因などで一部損傷などがあった場合は、その部分だけ張り替える形で対応いたします。
  • Q
    どこの杉ですか?
    A
    四国産の杉を厳選しています。
  • Q
    市街地(準防火地域、法22条地域)でも焼杉を使用できますか?
    A
    地域によっては外壁材として使用できない場合があります。しかし、これは焼杉そのものの防火性能が劣っているからではなく、焼杉を外壁材として使用した場合の防火性能が公的機関などで評価・判定されていないからです。
    また、住宅街など建物が密集していて防火に配慮しなければいけない地域では、壁構造を工夫しなければ焼杉に限らずどんな素材でも板張りの外壁にすることはできません。
    この場合、外壁材では防火認定は取ることができないので、外壁材の下にある合板や断熱材などを組み合わせて防火性能を取得しないといけません。
    例えば、焼杉を一番外側の化粧材とし、その内側に指定の構造用面材を貼り、断熱材等を充填することで「防火構造認定」の外壁を形成することが可能です。